広島市議会議員(安芸区)

ハンセン病の現状

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 朝から激しい雨で水路には多量の水が流れています。この水は海田湾を経て広島湾に流れ込みます。無理とは分かっていても、旱魃に悩むアフリカやオーストラリアに分けてあげたい気持ちです。
 さて、今日は「ハンセン病」について書きます。「広島県医師協だより」に掲載された広島手の外科・微小外科の生田義和先生の記事からの抜粋です。「ハンセン病」について少しでも皆様の理解が深まれば幸いです。
 「ハンセン病」はかつては「らい病」と言われていました。「らい菌」の感染によって皮膚表面に斑紋、結節などを生じさせ、神経障害によって知覚障害や運動障害、筋肉萎縮などを起こし、外形的な変形などの後遺症を残す場合があります。日本国内での年間の患者発生数は過去10年以上20名以下です。1993年から2003年までの10年間の国内患者の60%は沖縄県出身者に見られています。外国人患者では45%がブラジル人、ついでフィリピン人が20%となっています。2002年の国外における新患としては、インド47万3,658人、ブラジル3万8,365人、ネパール1万3,830人、タンザニア6,492人、モザンビーク5,830人、マダガスカル5,482人となっており、これらの6カ国で世界の88%を占めています。「ハンセン病」のワクチンは未だ開発されていませんが、治療薬は開発されています。
 日本ではほとんどなくなったとは言え、アジア、アフリカではまだ大きな医療・社会問題です。特にインドでは多くの患者が苦しんでいます。観光地で有名な遺跡、タージ・マハール廟から徒歩10分の所にこの病気の治療所である「らい病センター」があり、多くの患者が通院しています。このセンターの中には「日本学生記念研究所」が設けられており、昭和54年には6名の生徒が日本から派遣されました。その中に広島から2名が選ばれた記録があります。インドにおける「ハンセン病」については日本の貢献は大変に大きいものがあると生田先生は述べています。