広島市議会議員(安芸区)

震えがとまらなかった世紀の一戦

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 本格的な冬の到来を思わせる寒さです。

 
 「秋深し 隣は何をする人ぞ」という句があります。「秋深し」とは冬が間近な頃を言いますが、これに対して、「冬浅し」という言葉があります。これは、立冬を過ぎたけれどもまだ冬らしくない気分と、浅いけれどやはり冬だという複雑な気分の頃を詠んだものです。ちょうどこの時期にぴったりな言葉です。日本語の深さ、素晴らしさを感じます。


 一昨日ラス・ベガスのMGMグランドで行われた世紀の一戦、プロボクシングWBO世界ウェルター級選手権は予想を裏切らない熱戦でした。MGMグランドは客室約5000の世界最大級のホテルです。わたくしも訪れたことがありますが、その巨大さに感動しました。小さな町といった趣です。
 さて、チャンピオン、プエルト・リコのミゲール・コットは鉄壁のガードとハードパンチが売り物です。対する挑戦者、フィリピンのマニー・パッキャオは伸びのある左ストレートと右フックで、ともに数々の強敵を葬ってきました。


 第3ラウンドにパッキャオの右フックでコットがダウン。第4ラウンドにはパッキャオの強烈な左フックがチャンピオンの右顎にヒットして2度目のダウンを奪いました。結果としてこのパンチが後々まで尾を引き、パッキャオが第12ラウンドにレフェリーストップにより勝利しました。コットがこれほどまで打たれると予想した評論化がいなかったほど、パッキャオの強さが光りました。久しぶりに、緊張感で震えが止まらない一戦でした。


 パッキャオは「パウンド・フォー・パウンド」つまり、全ての階級を通じて最も強いとの評価を受けていますが、それを証明しました。もはやアジアの英雄ではなく、世界の英雄になっています。


 とは言え、このウェルター級にはシェー・モズリー、フロイド・メーウェザー、アントニオ・マルガリート、ファン・マヌエル・マルケスなどの超一流の競合がひしめいています。パッキャオにとっては「一難さってまた一難」といったところでしょうか。


 いずれにしても、プロボクシングのウェルター級からは目が離せません。