広島市議会議員(安芸区)

クレリックシャツにノーネクタイはルール違反

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 ここ数年はクールビズが華やかです。猛暑の中で首を絞めつけることは理に適っていません。スーパークールビズまで登場し、だらしなさと紙一重になっています。周囲を不快にしないファッションに心掛けたいものです。クレリックシャツもよく眼にします。カラーシャツに白い襟がついたもので、おしゃれな印象があります。クレリック=cleric とは牧師のことです。牧師が切る黒い服から白い襟が覗く様子から名づけられたのでしょうか。先日読んだ本によるとクレリックシャツにはネクタイが必須だと書いてありました。わたくし自身、ノーネクタイでクレリックシャツを着ることがあったので衝撃でした。以下はその内容です。


 1820年代に、ある主婦が夫に毎日清潔なシャツを着てもらおうと洗濯に励んでいました。ところが汚れるのは襟の部分のことが多く、見頃の部分は毎日洗濯しなくてもよかったのです。そこでこの主婦は襟の部分だけを切り取って、襟だけを洗い、再び見頃に縫い付けることを始めました。デチャッチャブルカラー(とりはずし可能な襟)の始まりです。このころから次第にデチャッチャブルカラーが主流になりましたが、あくまで襟は白が基本でした。1920年代に入って襟の取り外しができない現在のようなシャツが増えてきます。そして、色のついたシャツに白い襟を取り付けたのがクレリックシャツの誕生です。1930年代に昼間の盛装であるモーニングスーツ淡い色のシャツを着ることが流行しますが、この時代のシャツの襟はデタッチャブルで白でした。つまりクレリックシャツを盛装用にしていたわけです。夜の盛装は燕尾服やタキシードであり、白いウィングカラーに白いシャツしか許されません。クレリックシャツはモーニングスーツに合わせていたことから昼間の盛装用です。ドレッシーなシャツなのです。ネクタイを締めてこそその存在感が示されます。上着なしやノーネクタイはマナー違反ということになります。「紋付き袴を作務衣仕立てにしたようなものだ」とも書いてありました。


 わたくしは、この本を読んで考え込んでしまいました。クレリックシャツを着るとき、涼しさを追及してノーネクタイで行くか、それとも上着とネクタイを着けるか、ハムレットの心境です。やはり、ここは大人のダンディズムのやせ我慢で上着とネクタイにならざるを得ないようです。みなさんはいかがでしょうか?