広島市議会議員(安芸区)

「あじまん食堂」のご主人をご存じありませんか?

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。

 わたくしが高校生のとき、ビリヤードに熱中したことがありました。ポール・ニューマンが演じたハスラーに出るようなローテーションではなく、四つ玉と呼ばれるゲームです。これは文字通り、白い球と赤い球をそれぞれ2個使います。ポケットの球より相当に大きなものです。台には球を落とす穴もありません。プレーヤーは交互に自分の白球を突き、残り3個のうち白球と赤玉に当てれば2点、二つの赤玉に当てれば3点、3個すべてに当てれば5点というシンプルなゲームです。しかし、「言うは易く、行うは難し」で本当に難しい球技です。


 わたくしがよく通ったのは、現在清水劇場がある的場のビルでした。当時、スターレーンというボーリング場の上にビリヤード場がありました。
 ある日、学生服姿で一人で球を突いていると、小太りの初老の男性が声を掛けてくださいました。それ以来、毎週末にはその方に指導していただき、自分では相当の腕前になったと思っています。色々なケースでの突き方を教わりましたが、物理が苦手だったわたくしには、いまでも分からない球のクッションの仕方や走り方が数多くあります。


 大学に入学した年の夏休みに、久しぶりにそのビリヤード場に行きました。大学に入学したことを師匠に報告すると、「立派になられましたね」と喜んでくださいました。その後、数年ぶりに突きに行ったときには、師匠にはお会いできませんでした。受付の女性に伺うと、師匠は「あじまん」という食堂のご主人だとのことでした。「あじまん」が「味万」なのか、「味満」なのか分かりません。師匠とはそれ以来、会えませんでした。今でも師匠のやさしい笑顔を思い出します。もう一度お礼を言いたかったので、手を尽くして探しましたが、叶いませんでした。
 もうご存命ではないでしょうが、「あじまん」のご主人をご存知の方はいらっしゃいませんか?