広島市議会議員(安芸区)

アフリカ象の密猟(2)=密猟の実態

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 前回の続きです。

 下の写真はモンビーク・キリンバス国立公園のキャンプサイトに並べられた数百頭分の下あごです。当然密猟されたものです。

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 下の写真はケニヤ・ナイロビ国立公園で焼却処分された大量の密猟象牙象牙はカルシウムであり、簡単に焼けないので点火したところだけ見せて、すぐに消火して隠匿した可能性もあります。

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 さて、密猟者はヘリで上空から象の群れを見つけ地上に連絡します。GPSで群れに迫った地上部隊は機関銃で根こそぎ群れを殺戮します。象は賢く、仲間の死を悼むこともします。群れの仲間が動けなくなると見捨てることなく、そばを離れません。そのた   

め一網打尽になるのです。象の妊娠期間は長く、22か月である上に、10年間に1頭か2頭しか生まれません。

 また、象は皮膚が硬いため、密猟者たちは死後硬直が起こる前に牙を取ります。銃弾を撃ち込んで動けなくしたのち、象が生きているうちにチェーンソーで顔面を切り取るのです。それが前回のサタオの悲惨な写真です。

 現地では密猟された象牙の価格は1キロ約1万円から1万5000円です(末端では20万円以上の値が付きます)。象1頭で10キロから15キロの象牙が取れるので、1頭仕留めれば1年分の年収が稼げるのです。「サバンナのダイアモンド」と呼ばれる所以です。

 

 下の写真は「象牙女王」と呼ばれる中国人の楊鳳蘭です。彼女が率いる組織は地元警察その他の公的機関を買収しており、まったくやり放題です。そこには中国大使館が介在しています。密猟された象牙は大使館の車で空港に運ばれ、税関のフリーパスで香港や中国本土に運ばれます。

 

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 2013年3月に習近平タンザニアを訪問したとき、同行の閣僚や財界代表団が大量の象牙を購入したため、象牙価格がほぼ2倍に暴騰しました。彼らが購入した数トンの象牙は外交封印袋に入れて習近平の専用機で中国へ送られました。

 

 2016年9月にすべての象牙市場を閉鎖すべきかを話し合う第17回ワシントン会議が南アのヨハネスブルグで開かれました。象牙取引を規制する決議案に対して日本代表団が修正案を連発して決議案を骨抜きにした様子も描かれています。これに対して中国は2016年12月に、2017年内に国内の象牙取引を全面禁止することを表明しました。密猟象牙の元凶とされ続けてきた中国が「どのツラ下げて」いうかと思いますが、日本を貶めて自らは埒外に逃げ込んで知らぬ顔を決め込む狡猾さが見えます。

続きは次回です。