いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
2月10日の中国新聞に、2015年の「ふるさと納税」のランキングが掲載されていました。納税寄付額が多かった自治体のトップは、宮崎県都城市の35億2718万円。2位は静岡県焼津市で34億9280万円。中国地方では島根県浜田市が20億5636万円を集めて、堂々の8位に入り、岡山県備前市が18億7438万円で10位に入っています。広島市が受けた個人による寄付金額は以下のとおりです。平成26年に多いのは安佐南、安佐北の土砂災害のためです。
平成23年 1,133万円。
平成24年 625万円。
平成25年 1,341万円。
平成26年 1億529万円。
平成27年 2,913万円。
都城市は宮崎牛や地元の焼酎を中心とした特典が人気を集めています。焼津市では、マグロを中心に500種類以上の特典を揃えています。それぞれの自治体が知恵を絞っているようです。
夫婦共稼ぎのわたくしの友人は、夫婦でいろいろな自治体に「ふるさと納税」を行いました。その額を聞いて驚きです。なんと二人で600万円です。 インターネットで研究し、多くの特典を得ています。高価な牛肉は言うに及ばず、温泉の宿泊券、家具や家電もあります。中には、寄付金の6割程度を返す自治体もあるとか。彼は、「この制度は利用しなければ損だ」とはっきり語っています。法に触れるような脱税でもなく、寄付した自治体からも感謝される制度ですが、はたしてこれでいいのでしょうか?
わたくしは、この制度の現状は法の趣旨を大きく逸脱してしまったと考えています。学生時代を過ごした町や、赴任したことのある町、娘が嫁いだ町など、何らかの恩恵を受けたのなら、その恩返しとして寄付するなら納得です。 しかし、見返りだけを期待して、何の縁もない自治体に寄付するのはおかしいと思います。
しかも、他の自治体へ寄付することは、自分が住んでいる自治体の税金を減らすことになります。住んでいる自治体から恩恵を受けていながら、その自治体への税金を減らすことは、自治体への裏切りでしょう。
自治体間のサービス合戦の様相を呈しています。いつまでこんなおかしな制度を続けるのでしょうか?