広島市議会議員(安芸区)

官民協働の刑務所を視察しました。

いい顔ふやそう。沖宗正明です。
 梅雨入りを目前に控えてさわやかな気候です。今頃は真竹の筍のシーズンでしょうか?

 一昨日と昨日は所属会派の視察として岩国基地美祢社会復帰促進センターを視察しました。美祢社会復帰促進センターはPFI方式で整備されています。PFI(Private Finance Initiative)とは、民間の資金や経営手法・技術力を活用して公共施設などの社会資本を整備することです。官民の役割分担を事前に取り決め、公共施設の建築や維持管理を民間企業に任せ、効率的に良質な公共サービスを提供しようとするものです。美祢社会復帰促進センターは全国に4つあるPFI方式による刑務所の第1号です。公権力の行使以外の部分の運営をセコムと20年契約を結んでいます.

 このセンターの特徴はコンクリートの塀がなく、金網のフェンスだけです。ここに収容される受刑者は、初犯で軽い罪、さらに可塑性(立ち直る可能性)が高い人たちです。定員は、男子500人、女子800人の計1300人ですが、今年4月1日現在男子305人、女子330人の635人が収容されています。全国的な刑務所の傾向として年々収容者は減少しているそうです。
 平均執行刑期は男子2年12月3日、女子3年2月11日となっています。主罪名は男子で、詐欺35.9%、窃盗33.3%、覚せい剤10.8%。女子では覚せい剤39.2%、窃盗20.7%、詐欺15.0%です。

 処遇環境はこれまでの刑務所のイメージを変えるものです。窓には鉄格子がありません(ただし強化ガラス)。集団生活は自由度が高く、居室や多目的ホール間の往来は自由で、入浴も各フロアに浴室があり、自由時間内であればゆっくり入れます。面会時は刑務官の同行がなく、単独で面会室に移動します。
 さらに、すべての受刑者にパソコンが使えるように指導しています。必修科目が4種目、選択科目は男子で10種目、女子で9種目あります。たとえば、必修科目のビジネススキル科のようにビジネス能力検定ジョブパス3級の資格が取得できるものもあります。受刑者は、福祉科、情報処理技術科、調理科、医療事務科、CAD技術科など多くの科目を学んでいます。
 従来われわれが抱いていた刑務所のイメージを一新させる刑務所でした。視察を終えて、所内の食堂で受刑者と同じ昼食(1日限定20食)を食べましたが、まずまずのものでした(最後の写真のメニュー、美祢定食400円)。