広島市議会議員(安芸区)

丸山穂高議員への辞職勧告決議の危うさ

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 さわやかな気候が続きます。とくに夕暮れ時の風に当たっていると、時がたつのを忘れます。

 

 丸山穂高衆議院議員の、北方領土を戦争で取り返す旨の発言が物議を醸しています。彼はすでに日本維新の会を除名されています。野党6会派は問題発言を理由に辞職勧告決議案を提出したのに倒して、自民・公明両党は、けん責決議案を提出しました。辞職勧告決議案の趣旨は、発言が憲法違反にあたるとのいうものです。これに対して、けん決議案の趣旨は、平和主義に反し、国益を大きく損なったというものです。

 

 丸山議員は袋叩きの様相です。わたくしは、議員の身分を奪うことには慎重であるべきと考えています。法的には議会は議員を除名することも可能です。犯罪に関与した場合や、それに近い場合の除名や辞職勧告は無理からぬところがあります。しかし、今回は発言の内容を問題にしていることが異様です。憲法違反が理由になるのなら、同性婚を唱えることも憲法違反です。財政難だから生活保護を打ち切れと発言することも、納税が少ない人たちには選挙権を与えるなと考えることも同様です。

 それぞれに考え方があって当然です。ロシアによる北方領土の不法占拠だけでなく、韓国、北朝鮮、中国にわが国の主権が侵されているのに強硬手段に出られないことに対して、軍事力を強化して戦争できる国にせよと考える人たちもいるでしょう。憲法が戦争を否定しているなら、それを改正しようとの試みもあるでしょう。それらはすべて現憲法に違反しています。

 

 わたくしは、丸山議員の発言を擁護する気はありませんが、発言の内容を理由にしての辞職勧告は軽々しく行うべきではないと考えます。言論統制につながり、戦前のような過ちを繰り返す危険性があります。丸山議員は大阪19区の有権者が選びました。それが民意です。議員がその身分を失うのは、自ら辞職するか有権者から落選させられるかの二つです。