広島市議会議員(安芸区)

毎日新聞でのトランプ大統領訪日の論調が面白い

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 トランプ大統領にかき回されている感のある日本です。大相撲のしきたりを変更したり、ヘリを飛ばしてまでゴルフを楽しんだり・・・。

 昨日の毎日新聞の論調は興味深いものでした。まず第1面で、「トランプ大統領を接待漬け」と来ました。2面でも冷ややかな論調です。「風知草」というコラムでは、「相撲観戦という政治」と見出しを付けて批判しています。相撲観戦は首脳外交のこぼれ話どころか、メインイベントの趣である。日本相撲協会を巻き込んだ破格の厚遇は、・・・ゴマスリではなく、国際協調を見据えた大戦略の一環だったと思いたい。そのあと、升席に特設した椅子は1脚50万円、両首脳夫妻で200万円だと紹介しています。さらに、外務官僚に言わせれば、ここ2カ月、外務省北米1課は「相撲とゴルフの準備がすべて」だった。と書いています。

 また、トランプは格闘技好きで、大統領就任前の07年春、プロレス興行の座興でリングに登場して著名レスラーに決め技を食らい、ぶちのめされた。「トランプ」、「プロレス」でネット検索すれば動画を見られる。と続きます。わたくしも見ましたが、トランプは強烈な蹴りを腹に食らい、ダウンしていました。

 締めくくりは、技術と政治、人間と文明の未来について深い首脳対話がほしい場面だが、、そういう期待が持てないところが残念である。と結んでいます。

 

 このコラムの中で、もう一つ面白いエピソードが紹介されていました。親日家のシラク元フランス大統領は何度も大相撲を観戦しています。定席は2階正面の椅子席でした。日本の歴史や文化に造詣が深いエリート政治家が該博な相撲知識で歴代首相や官僚をたじたじとさせた逸話も紹介されています。笑ったのはその後です、シラクと不仲だった後継大統領のサルコジが相撲をこき下ろした言葉です。

「ポマードを塗ったシニョン(束髪)のデブの取っ組み合いになんで夢中になれるのか?相撲はまったくもって知的なスポーツではない」。

 その後の反発に驚いたサルコジは駐仏大使を昼食に招き、釈明に努めたそうです。優勝力士への仏大統領杯の贈呈は07年、シラクの引退、サルコジの就任で終わりましたが、08年、日仏友好杯として復活しています。

 

 安倍首相嫌いの毎日新聞とはいえ、なんとも面白い紙面でした。ちなみに、同じく安部嫌いの朝日新聞は、トランプ来日を拍子抜けするくらい小さな扱いで報じていました。

 それにしても、日本政府の米国に対する腰の引け方にイラついている方も多いのではないでしょうか。北朝鮮のミサイル、米国の臨界核実験、貿易交渉・・・

接続詞「しかし」を使わない菊池寛

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 狂った暑さです。北海道で39度とは。今年の夏はどうなることやら。

 

 菊池寛の「蘭学事始め」の朗読を聞きました。ふと気づいたのですが、菊池寛は接続詞の「しかし」を使いません。代わりに「が」が使われています。「蘭学事始め」だけかと思い、「藤十郎の恋」と「恩讐の彼方に」も聞いてみました。どちらも「が」で統一されていました。聞いていると、「が」のあと少し間をおいて続ける文体が耳に心地よく響きます。読んでいるときには全くなかった感覚です。菊池寛のこだわりなのでしょう。改めて作家の筆致力のすごさを実感しました。

丸山穂高議員への辞職勧告決議の危うさ

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 さわやかな気候が続きます。とくに夕暮れ時の風に当たっていると、時がたつのを忘れます。

 

 丸山穂高衆議院議員の、北方領土を戦争で取り返す旨の発言が物議を醸しています。彼はすでに日本維新の会を除名されています。野党6会派は問題発言を理由に辞職勧告決議案を提出したのに倒して、自民・公明両党は、けん責決議案を提出しました。辞職勧告決議案の趣旨は、発言が憲法違反にあたるとのいうものです。これに対して、けん決議案の趣旨は、平和主義に反し、国益を大きく損なったというものです。

 

 丸山議員は袋叩きの様相です。わたくしは、議員の身分を奪うことには慎重であるべきと考えています。法的には議会は議員を除名することも可能です。犯罪に関与した場合や、それに近い場合の除名や辞職勧告は無理からぬところがあります。しかし、今回は発言の内容を問題にしていることが異様です。憲法違反が理由になるのなら、同性婚を唱えることも憲法違反です。財政難だから生活保護を打ち切れと発言することも、納税が少ない人たちには選挙権を与えるなと考えることも同様です。

 それぞれに考え方があって当然です。ロシアによる北方領土の不法占拠だけでなく、韓国、北朝鮮、中国にわが国の主権が侵されているのに強硬手段に出られないことに対して、軍事力を強化して戦争できる国にせよと考える人たちもいるでしょう。憲法が戦争を否定しているなら、それを改正しようとの試みもあるでしょう。それらはすべて現憲法に違反しています。

 

 わたくしは、丸山議員の発言を擁護する気はありませんが、発言の内容を理由にしての辞職勧告は軽々しく行うべきではないと考えます。言論統制につながり、戦前のような過ちを繰り返す危険性があります。丸山議員は大阪19区の有権者が選びました。それが民意です。議員がその身分を失うのは、自ら辞職するか有権者から落選させられるかの二つです。

ドリス・デイ死去

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 

 昨日英国グラスゴーで行われたプロボクシングバンタム級最強決定トーナメントWBSS(ワールド・ボクシング・スパー・シリーズ)の準決勝で、WBA世界王者の井上尚哉が2ラウンドTKOでIBF王者エマヌエル・ロドリゲスに勝利しました。ともに無敗のチャンピオン同士の一戦で、井上と言えども苦戦は免れないとの予想でした。予想通りに、1ラウンドは押され気味だっただけに、最初にダウンを奪った左フックはボクシングファンを戦慄させるほどの衝撃でした。前回の世界戦では1ラウンドに右フック一発でKOしています。この勝利で井上の評価はさらに上がりました。決勝戦の相手はノニト・ドネア(米)です。見逃せない一戦になります。私見ですが、総合力で井上が上回っており、KOで井上の勝ちと予想します。

 

  5月13日、アメリカの歌手で女優のドリス・デイさんが亡くなりました。享年97歳。「二人でお茶を(Tea for two)」、「ケ・セラ・セラ(Que sera sera)」は世界中でヒットしました。わたくしの親の世代なので、強烈な印象ではありませんでした。とはいえ、コニーフランシスと並んで、特別な美人でもないヤンキー娘ながら、アメリカの黄金期を象徴する歌手であったことは間違いありません。

ユダヤ人から運賃まで取ったナチスドイツ

 

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 

 BS放送でダークサイドミステリーを見ました。ナチスの黄金列車についての番組です。ナチス終戦直前に4700億円もの財宝を積んだ列車を走らせましたが、その行方が分からなくなっています。その黄金列車を追った番組です。トンネルを爆破することによって列車を埋めたとされる場所を調査した結果、列車が埋まっていることを証明できなかったという何とも肩透かしな内容でした。徳川の埋蔵金の話に似ています。

 番組の中で、ナチスユダヤ人を強制収容所に移送するとき、運賃を徴収していたことが紹介されていました。財産を没収された上に強制収容所の移され、さらに運賃まで取られるとは。当時のユダヤ人の心理を分析した方の解説では、ユダヤ人たちは様々な迫害を受けても、これに服従しておけばそれ以上の迫害を受けないと考えていたようです。つらいことはこれで終わるだろうということです。しかし、次々と行われる迫害に次第に慣れて行くという怖い内容でした。

 ナチスの大衆心理操作は天才的でした。国民もユダヤ人もいつの間にかうまく操られました。当時のヒトラーの圧倒的な支持はそれを物語っています。ナチスの正式名はドイツ社会主義労働者党です。つまり、労働者の味方です。わたくしは、ヒトラーは労働者に対して素晴らしい政策を進めたと評価しています。たとえば、生理休暇の導入、労働者が年1回海外旅行をするための大型客船の建造、大衆車フォルクワーゲンの製造などです。ただし、評価できるのはポーランド侵攻までです。それ以降のヒトラーは重症の麻薬中毒患者であり、正常な判断力を失っています。

 

購入した本

  1. 論語と算盤 角川ソフィア文庫
  2. 渋沢栄一の哲学
  3. 政令 講談社現代新書
  4. 応仁の乱 中公新書
  5. 観応の擾乱(かんのうのじょうらん) 中公新書
  6. 広島の経済  南々社
  7. 地球一やさしい宇宙の話 小学館

 2・3・4は室町時代を理解するために読むべきだとの論調を聞いて購入しました。いま、観応の擾乱を読んでいます。室町幕府の内紛を描いたものですが、足利尊氏と直義兄弟だけでなく、南北朝や大名を巻き込んでの権力闘争は現代政治よりもはるかも興味深いものです。 

 また、6は物理学に無知なわたくしでも楽しく読めました。宇宙誕生から138億年とか、太陽の120億倍の質量を持つブラックホールなど、桁違いの数字に驚きです。