広島市議会議員(安芸区)

ユーロ危機は終わらない

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 昨日の夕方、家路につくとき、子供のころの夏休みも思い出がよぎりました。元宇品に住んでいたわたくしは、麦わら帽子をかぶって炎天下で遊びまわり、セミやクワガタを採ったり、ひとりで伝馬船を艪(ろ)で漕いで釣りもしました。楽しいことばかりの思い出です。


 さて、一昨日、欧州連合(EU)17か国の首脳会議が開かれ、財政危機に陥ったギリシャに対する総額18兆円の追加支援策が決まりました。政府だけでなく、民間の金融機関にも負担を求める内容でした。これを好感して昨日の為替市場ではユーロ/円やポンド/円、豪ドル/円などのクロス円が買われ、円安が進みました。しかし、ヨーロッパ時間に入って、格付け会社のフィッチ・レーティングが「民間負担の仕組みが実際に発動された場合には、ギリシャ国債の格付けを部分的な債務不履行(デフォルト)に引き下げる」と発表したことで流れが一変し、円高が進みました。一日のレートの変化はユーロ/円、ポンド/円とも1円以上、豪ドル/円は50銭の幅の乱高下でした。


 冷静に考えると、支援策は債務の繰り延べや、欧州内での負担の分散であり、ギリシャの財政が根本的に改善されるわけではありません。
 たとえが悪いかもしれませんが、出来の悪い弟(ギリシャ)の借金を兄弟で分かち合おうとするだけです。しかも、死んだ先代は借金の額を過少申告して兄弟たちをだましていました。跡を取った当主(パパンドレウ)が正直に借金の額を打ち明けたため、兄弟たちが大慌てしているのが今回のユーロ危機です。その上、この弟の子供たち(公務員)は自分たちの既得権や年金を減らされることに反発して、節約しようとはしません。弟の家族自身が変わらなければ、何の解決にもなりません。そのうちに、少し裕福な兄たち(ドイツ、フランス)にまで実害が及ぶようになれば兄の家族たちも黙っていないでしょう。


 大西洋の向こう側にいる親戚(アメリカ)も家計が悪化し、借金の枠を増やそうと(政府債務の上限引き上げ)していますが、家族(議会)の承諾が得られず、家長(オバマ)は四苦八苦しています。結果として、借金も多いが貯金も多い他人(日本)の円が高くなってゆきます。迷惑な話です。
 3月11日の大震災直後の急激な円高局面では各国が協調介入に応じてくれましたが、いまは協調介入するような余裕もありません。当分、円高の流れは変わりそうにありません。


注文した本
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 いま話題の気骨の経産省官僚、古賀茂明氏の著書です。
2.営業マンは「お願い」するな!  サンマーク出版
 インターフォンは壊れていると思え。何も売らずに帰ることこそ無礼千万と思え。など発想の転換が楽しみです。
3.脳からストレスを消す技術  サンマーク出版

4.脳ストレスが消える生き方  サンマーク出版
 3と4は脳生理学者、有田秀穂市の著書です。