広島市議会議員(安芸区)

いい加減な広島市の依命通達

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 春一番が吹き、いよいよ春です。


 3月14日、平成26年度予算特別委員会の総括質疑に登壇し、「依命通達〜その重要性と新年度予算への反映」と題して質問しました。
毎年10月下旬に、新年度予算編成についての依命通達が各局・区長、会計管理者、企業会計管理者、教育長、行政委員会等事務局長に対して出されます。  
3月4日にはオバマ大統領が議会に対して予算教書を提出しましたが、依命通達は広島市の予算教書とも言えるものです。新年度予算についての基本的な方針が通達されます。


 平成26年度と25年度、24年度の予算編成についての依命通達について比較して質問しました。松井市長になって3年分ということになります。
平成25年度版との比較で、平成26年度版に新たに加わったものは、消費増税と被曝70周年に向けた取組が新たに追加されています。この2点を除けば3年間、項目は変わっていません。


 のちほど示しますが、4つの大項目、つまり「第1総括的事項」には9項目あります。このうち、消費税と被曝70周年に関するものを除くと24年度版、25年度版、26年度版ともに同じ7項目が上がっています。
「第2歳入に関する事項」は3年ともに同じ6項目が上がっています。
「第3歳出に関する事項」は3年とも同じ12項目が上がっています。
「第4企業会計公益法人等に関する事項」は3年とも同じ2項目が上がっています。合計で同じ27項目が毎年上がっています。


 この同じ27項目の内容を3年分を読み比べてみました。ここでは平成26年度版と平成25年度版を比較します。
その結果、(表1)第1の総括的事項では7項目のうち、4項目が全く同じ記述。一言一句変わっていません(◎)。2項目は表現がわずかに違うだけでほぼ同じです(○)。

 
 (表2)第2の歳入に関する事項の6項目のうち、5項目が全く同じ(◎)。1項目がほぼ同じです(○)。
 (表3)第3の歳出に関する事項は12項目ありますが、全て一言一句同じです。
 (表4)第4の企業会計公益法人等に関する事項も2項目が3年全く同じです。


4つの大項目の共通のトータル27項目のうち23項目は全てまったく同じ記述なのです。いまマスコミを騒がせているコピー・アンド・ペーストです。これは平成25年度版と平成24年度版を比べてもほぼ同様でした。
 つまり3年間依命通達はほとんど変わっていないということです。コピー・アンド・ペーストが3分の2以上を占めています。

 
 これでは、依命通達を出す意味がありません。
受け取る側もまた同じものが来たと言って、捨てはしないまでもファイリングして終わりでしょう。実質にはシュレッダー行きと同じことです(実際に職員に聴くと、同じ内容なので読まないと言っていました)。
 こんないい加減な依命通達を来年も出すのか?何とか細胞の論文と同じでコピー・アンド・ペーストで副市長名で出される依命通達はこれほど軽いものなのか?前の年に出したものをコピーするのだから盗んだと言われる心配はないが、何の意味があるのか?と問いましたが、答弁は、予算編成の基本的考え方なので来年も出すとのことでした。
 市長が常々口にする「選択と集中」とはこの程度のものなのでしょう。この程度の依命通達を出しておいて、どこに選択と集中があるのでしょうか。


 前期、三宅副市長名で出された依命通達には地球温暖化・エネルギー政策の推進やICT施策に係る予算要求の留意事項、スクラップ&ビルド及びサンセット方式の徹底などの項目がありましたが、平成24年度版から削除されています。これらの施策はさほど重要に考えていないのでしょう。
 
 こんな茶番劇はやめるべきであり、それでも出すのなら、項目を書いた後に、昨年度と同じと書いてくださいと要望しておきました。
 以下に一覧表を添付します。


 (表1)第1総括的事項
                      
1.新規の事務・事業についての徹底検証    ◎ 
2.事務・事業の抜本的な見直し        ○       
3.行政改革の推進と予算への反映       ○ 
4.各局単位を超えた全庁的な取組       ◎ 
5.共同事業等の適切な負担割合の設定等    △      
         (県・市を合わせた費用対効果の改善に留意)
6.民間活力の活用              ◎      
7.議会・監査等の指摘への対応等       ◎      



 (表2)第2歳入に関する事項
                     
1.市債発行の抑制            ◎     
2.収納率の向上対策等          ○          
3.使用料等の適正化           ◎     
4.未利用地等の売却促進及び有効活用   ◎     
5.国・県支出金の積極的確保等      ◎                
6.広告料収入等の新たな財源の積極的確保 ◎     



 (表3)第3歳出に関する事項    12項目すべて◎!!!            
1.公共事業の見直し             
2.公共工事のコスト縮減等               
3.施設建設に係る留意事項         
4.用地取得に当たっての留意事項       
5.公共施設における維持管理経費の節減と利用促進           
6.運用・保守業務に係る経費の削減・適正化  
7.扶助費の見直し
8.補助金・負担金の整理公理化等       
9.イベントなどの見直し           
10.印刷物・刊行物などの見直し       
11.調査業務などの事前調整等              
12.旅費・食糧費・消耗品費などの内部管理経費の節減



(表4)第4企業会計公益法人等に関する事項     
                    
1.企業会計等における独立採算制の原則の徹底 ◎ 
2.公益法人等における事業の再点検      ◎   


27項目のうち23項目がコピー・アンド・ペースト!!!