広島市議会議員(安芸区)

中国人はコピーを悪いと思っていない

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 朝は春の匂いがあふれていましたが、午後になって急に寒くなってきました。


 富士通総研主席研究員の柯 隆さんの講演で思わず納得させられることがありました。中国人の知的財産権に対する考え方についてです。
 中国では、コピー商品が出回っています。地方政府もこれを黙認しています。国としてコピーを認めているに等しい現状です。
 柯 隆さんは、ある地方政府の高官にコピー商品について尋ねました。その答えは、「コピー商品を取り締まらなければならないことは分かっている。しかし、取り締まることは、この地方の雇用と税源を大きく損なうことだ。」
 ここまでは理解できないこともないでしょう。問題なのはそれに続く内容です。「ヴィトンのコピーバッグを買うのは、安いからだ。もしも我々のコピー商品がなくなっても、彼らは高価な本物のヴィトンは買わない。だから、我々はヴィトンに損害を与えていない。」
 妙に納得させられるような、見事な居直りです。


 知的財産権が問題にならなかった時代、日本が高度成長期に入った頃は、日本も外国製品を模倣していました。その頃のメード・イン・ジャパンは粗悪品の代名詞でした。しかし、その後、日本は研究開発に力を注ぎ、世界的ブランドを育てました。ソニートヨタ、ホンダ、パナソニックなどです。しかし、中国では開発を行っても国内の同業者から模倣されるため、そのインセンティブが働きません。中国の世界的なブランドが存在しないのは、無理のないことでしょう。中国人はこれからもコピー商品を作り続けることでしょう。