広島市議会議員(安芸区)

馴染み客になるためのルールとは?

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 春ですね。毎日少々寒い風の中に春の香りを楽しんでいます。わたくしは桜の頃よりもむしろこの時期が好きです。さあ、いよいよ活動しようというムードが漲っています。二十四節気の第三、啓蟄(けいちつ)とは冬ごもりの虫が這い出して来ることを言いますが、今がまさにこれでしょう。「定気法」では啓蟄は年によって変わり、時刻まで決まっているそうです。今年の日本での啓蟄は3月6日の15時28分です。


 さて、皆さんも好みの店に通うことがあると思いますが、いつから「馴染み客」になるのでしょうか?
 三省堂大辞林によると馴染み客とは、(1)通いなれて馴染みになっている客。(2)遊郭で同じ遊女に3回以上通った客。となっています。落語では同じ店に3回通うと「馴染み客」となります。しかし、これにはルールがあります。初めて行くのは誰かに連れて行ってもらうのが普通でしょう。これを「初回」といいます。問題はここからです。どんなに嫌な店であっても、後日一人でその店に顔を出すのが客としてのマナーです。これを「裏を返す」または単に「裏」といいます。2回目も嫌ならそれまで。何とか気に入ってもう一度行くと初めて「馴染み客」と認められます。


 落語では、「裏を返さないのは客の恥、馴染みをつけさせないのは店が悪い」という言葉があります。店としては2回目が本当の勝負ということになります。わたくしも、一度連れて行っていただいた店には間を置かず必ず裏を返すことにしています。「きょうは裏を返しに来ました」といっても、キョトンとされることがほとんどです。店の方自身が裏を返す意味を知らないのです。それでも昨夜もある店に裏を返しました。こんなことをしているから「おあし」が無駄に出てゆくのでしょうね。