広島市議会議員(安芸区)

祖母の箱枕

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。 

 

  録画しておいた鬼平犯科帳を見ました。長谷川平蔵が箱枕でタバコを吸う場面を見て亡き祖母を思い出しました。

  両親がが共働きであったせいか、わたくしは「お婆ちゃん子」でした。幼少期、毎晩祖母の隣で寝ていましたが、明治生まれの祖母は箱枕を使っていました。当時、子供心にも、高さのある箱枕で寝られることが不思議でなりませんでした。

  また、祖母は刻みタバコを嗜んでいました。南部鉄のような趣の煙草盆を使ってキセルで吸っていました。その頃は何にも感じませんでしたが、今となってみれば黒田清輝が描く女性像をほうふつとさせるような何とも粋な姿でした。箱枕、煙草盆キセル、それらが三位一体となっていい雰囲気を醸し出していました。幼年期のわたくしにそんな年増の色気は感じようもありませんでした。そんな古き良き文化も過去のものとなりました。

 

  蛇足かもしれませんが、鬼平犯科帳で何人かが艪をこぐ場面がありますが、まったくダメ。あんな艪の扱いでは舟は進みません。それを言えるのはわたくしが子供のころから一人で伝馬船を漕いでいた経験です。