広島市議会議員(安芸区)

日本では褥瘡(じょくそう)が桁違いに少ない

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。

 褥瘡とはいわゆる床ずれのことです。寝たきりや、それに近い状態で腰や背中、肩のようにベッドからの圧迫を受けやすい部位によく起こります。圧迫によって循環不全が起こり、酸素や栄養が行き渡らなくなることが原因です。頬骨や耳たぶに起こることもあります。

 私の勤務する施設でも決して珍しくありません。圧迫を和らげるようにクッションを敷いたり、頻繁に体位を変換して回復に努めていますが、低栄養と相まって短期間で劇的に改善することはごく稀です。重症になると腰の骨が見えるまでになることもあります。外側から見ると小さい傷でも、皮膚の下に大きく褥瘡が広がっている例もあります。当然、感染のリスクも高まってきます。

 とはいえ、我が国での褥瘡の予防、治療がいかに優れているかを示す下記の数字を紹介します。

 25年前には入院患者の約4~9%に褥瘡が発生していましたが、2016年の統計では1.8%にまで低下しています。ヨーロッパでは褥瘡の有病率が約16%、北米では約10%ですから、我が国における褥瘡がいかに少ないかわかっていただけることでしょう。医療・介護のレベルが高い証左です。私の施設でも、職員の献身的な努力に頭が下がります。