広島市議会議員(安芸区)

京都とウクライナのキーウは姉妹都市だった~日本が明日のウクライナにならないために

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。

 皆さんが抱く京都のイメージはどのようなものでしょうか?まず、歴史と文化を伝える古都でしょう。私もそうでした。

 ところが、7月9日の産経新聞の「自衛官不足、静かな有事を直視せよ」という記事を読んで、全く違う面があったことに驚きました。

 

 京都は全国有数の国防拠点です。陸海空の自衛隊基地が揃い、その上に米軍基地があります。5月31日に北朝鮮から弾道ミサイルと思われる飛翔体が発射された時には、海上自衛隊舞鶴基地所属のイージス艦2隻が周辺海域に展開され、航空自衛隊経ケ岬(きょうがみさき)分屯基地や、隣接する米軍経ケ岬通信所、米軍の早期警戒衛星などからの情報を政府が分析してJアラートが発出されました。

 海上自衛隊舞鶴基地は、秋田から島根県まで広大なエリアを管轄しています。また、日本海側から敵が攻めてきた場合には、陸上自衛隊福知山駐屯地の部隊が前面に立ち、大都市大阪の手前で食い止める役割も担っています。

 

 現在、自衛隊では部品の在庫不足のため、整備中の戦闘機や艦船などから部品を外して転用する「共食い」や弾薬不足、施設の老朽化、耐震不足などの問題が噴出しています。岸田内閣が防衛費増額を打ち出したことで多少は緩和されるかもしれませんが、こうした実態を知らずに防衛費増に反対する者も多いことでしょう。

 さらに深刻なのは人員不足です。自衛官の定員約24万7千人に対して現員は約23万700人で充足率は93.4%。平成30年からは採用年齢の上限を26歳から32歳に引き上げていますが、直近10年間の充足率は約90%に留まっています。国防の担い手不足は国家の存亡にかかわる深刻な事態であり、静かな有事となっています。隊員の待遇改善を図り、教育を始めとして国を守るという崇高な任務への理解を深めなければなりません。

 

 最後に筆者は、「京都はウクライナの首都キーウと姉妹都市でもある。いまこそ現実を直視し、強い危機感を持って改善への一歩を踏み出さなければ、我が国は明日のウクライナとなるであろう。祇園祭が千年先まで続くことを願う」と結んでいます。

 こんな崇高な記事は中国新聞では読めないでしょう。