広島市議会議員(安芸区)

「海の日」に思う。いまこそ海防の意味を考える秋(とき)。

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。

 きょうは「海の日」です。「海の日」は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨で1996年に祝日に制定されました。これは明治9年に明治天皇が東北・北海道巡行を終えて7月20日に横浜港に帰京されたことに因んでいます。海の安全を守る灯台守らを支えた灯台巡視船「明治丸」がお召し艦の栄誉を担いました。

 

 国土交通省によると、世界の国々の中で「海の日」を国民の祝日としている国は唯一日本だけです。四方を海に囲まれた島国は少ないので当然かもしれませんが、海防という視点から考えれば大きな意味があります。

 細かい数字は上げませんが、日本の管轄区域である領海と排他的経済水域EEZ)の面積は世界第6位、海の体積は第4位です。日本の海にはレアアースメタンハイドレートなど膨大な資源が埋蔵されており、無限の可能性を秘めています。

 

 しかし、いま日本の海防は大きな危機に瀕しています。中国は尖閣列島へ侵犯を繰り返し、台湾への侵攻も明言しています。北朝鮮は日本のEEZにミサイルを撃ち込んでいます。ロシアもウクライナを支援する日本を敵国と見なしています。

 

 日本の貿易物量の99.6%は海運によっています。7月4日には国内の取扱量トップの名古屋港を管理するシステムがサイバー攻撃によって3日間機能がマヒしました。これが長引いていたら国内の物流は大混乱に陥っていたでしょう。

 

 日本は中国によって11世紀の初頭に「刀伊の入寇(といのにゅうこう)」、13世紀には元寇対馬壱岐、九州北部が蹂躙された歴史を持ちます。

  海の日だといって海水浴を楽しむのもいいいでしょうが、いまこそ海防への認識を新たにすべき秋でしょう。

(これを書くに当たって東海大学教授の山田吉彦氏を始め、産経新聞の記事を参考にしました)