広島市議会議員(安芸区)

沢村賞でこんなおかしなことが起こった

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。

 オリックスの山本由伸投手が三年連続で沢村賞を受賞しました。今シーズンの成績は、16勝6敗、防御率1.21、奪三振169といずれもリーグトップの素晴らしい内容です。これを引っ提げて大リーグにチャレンジします。初年度からの大活躍が期待されます。

 

 沢村賞はかつてはセリーグだけの賞で、20勝以上、防御率2点台以下、奪三振、優勝への貢献度などが選考基準でした。問題が起きたのは1981年のシーズンオフです。以下の2投手のどちらが受賞したと思いますか?

 

◎投手A  勝敗20勝6敗、防御率2.29、奪三振221。いずれもリーグトップ。完封7を含む20完投も素晴らしい成績です。

◎投手B  勝敗18勝12敗、防御率2.58、奪三振126。

 

 記者クラブによる投票の結果はB投手16票、A投手13票、白票2でした。

A投手は江川卓、B投手は西本聖です(ともにジャイアンツ)。誰が見ても受賞すべきは江川でしょうが、批判票として西本に入れたものがあまりにも多かったということです。

 この年は江川にとって入団3年目です。まだ入団時のしこりが残っているとはいえ、あまりにも酷い結果です。江川自身、「江川はまだ人格的に受賞すべきではない」とまで言われたとも語っています。25・6歳の若者が猛烈なバッシングを受けながら、必死に頑張った姿に感動を覚えます。受賞した西本も言われなきバッシングを受けたようです。

 

 いつの世もマスコミとは怪しげな正義を振りかざして攻撃する存在なのでしょう。ジャニーズ騒動でも、自分たちは見て見ぬふりをした加害者であるにもかかわらず事務所側を批判する姿勢に吐き気を催します。