広島市議会議員(安芸区)

ロンドンの地下鉄の初乗り料金は800円

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 今日は日本円の実力についての話です。
 1949年の今日、GHQによって日本円の公式レートが1米ドル=360円に決められました。その後の経済復興によって現在の為替レートは1米ドルは103円前後になっています。明治4年(1871年)には米ドルと同価値の金本位制をめざしたために、1米ドル=1円でした。日清戦争に勝った1897年に正式に金本位制に移行したときは、1米ドル=2円になりました。1932年高橋是清大蔵大臣によって金本位制を停止したときには1米ドル=5円まで低下しました。1941年太平洋戦争直前のレートは1米ドル=4.25円でした。戦後最も円高となったときは1995年、1米ドル=79円でした。この頃は超円高を享受して輸入品の価格が下がり、100円ショップが全盛を迎えました。今日のレートは1米ドル=約103円ですが、実力を表す実効為替レートは現在の数字よりよりはるかに円安です。例えばロンドンの地下鉄は初乗り料金が4ポンドです。1ポンドは現在約205円ですから、800円以上です。しかし、ロンドンっ子たちには高くないのです。先進国の一流でもないホテルの宿泊料金は4−5万円です。モスクワのホテルも一流ではありませんでしたが、1泊約5万円でした。しかし、日本円以外で支払う人にとっては決して高くないのです。これは円の実力が低いことを意味します。確かに円安によって輸出は増えますが、国民にとって自国の通貨が安いことは国際競争力の低下を意味します。国際取引の入札では外国に勝てなくなっています。イギリスでは地下鉄料金に800円出せますが、日本では800円になれば乗らないでしょう。同様に食料とか資源とかの輸入価格が高騰しつつあります。これまで金融機関を救済するために超低金利を続け、国民が受け取るべき金利を銀行に回した報いではないでしょうか。海外旅行のたびに円の実力低下を嘆いています。