広島市議会議員(安芸区)

長崎は今日も竜馬だった

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 ゴールデンウィークを境にして、いつの間にか夏のような気候になりました。


 わたくしは、連休を利用して長崎に行ってきました。高校1年生のとき、単身で長崎に行ったことがあります。
長崎市のYMCAの高校生に街を案内していただきました。当日は精霊流しの日で、婦人連が引く大きな船が記憶に残っています。帰途はヒッチハイクしようと長崎駅前に立っていましたが、うまくトラックを止めることができず途方にくれていました。そのとき、30〜40歳の男性が、ヒッチハイクするなら諫早駅前が良いとアドバイスしてくれた上に、諫早行きの切符まで買って下さいました。そんな親切を受けた男性の顔と筋肉質な体型は今でも忘れられません。案内してくださったYMCAの方と切符を買ってくださった男性から受けたご恩で、それ以来熱烈な長崎ファンになりました。


 長崎はNHKの大河ドラマ「竜馬伝」のためか、竜馬ブームに沸いています。竜馬が作った日本最初の株式会社である「亀山社中」の場所ははかなりの坂の途中にあり、これまであまり人気のあるものではなかったようです。しかし、このブームで観光客が押し寄せ、1時間待ちでした。そのほか多くの施設で竜馬に関する展示やイベントが開かれており、前川 清の歌ではありませんが、「長崎は今日も竜馬だった」


 わたくしにとって印象的だったのは、長崎県美術館で開かれていた「山下 清展」でした。山下 清の少年の頃からの多くの作品が一堂に展示されていました。実物を間近で見ると、その精緻な手法に驚かされます。テレビドラマでは、放浪先で貼り絵を描いているようなシーンがありますが、間違いのようです。彼は気に入った風景をスケッチしておき、帰ってから貼り絵にしたようです。しかも下絵を描くことなしに直接細かな色紙を貼り付けて行ったようです。改めて彼の天才に感じ入りました。長崎県美術館では同時に「エル・グレコ展」も開催されていました。こちらも素晴らしいものでした。


 そのほか、日本の近代医学のパイオニアシーボルトの記念館も幕末から明治初期の先人たちの医学に対する熱意が伝わってきました。また、旧市内からは少し離れていますが、「遠藤周作文学館」も彼の足跡を偲ばせる施設でした。古い教会も数多く残されており、長崎とキリスト教の強い関係が伺えます。正式なキリスト教に属さない「隠れキリシタン」も約60世帯残っているそうです。これらについては改めて書きます。


 長崎の方々は大変に親切でした。今回の旅で益々長崎のファンになりました。