広島市議会議員(安芸区)

花見が行われる公園のごみ箱撤去

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 近所の瀬野川沿いの桜も開き始めました。週末は、あちこちで花見がにぎやかに行われることでしょう。わたくしが若かった頃、上野の鈴本で落語を聴いた後、花見客でにぎわう上野公園を散歩したことがあります。驚いたのは、ごみ箱に捨てられた弁当箱から残り物を食べる人たちがいたことです。彼らは割り箸だけを持ってごみ箱からごみ箱へ移動していましたが、結構収穫はあるようでした。彼らの表情には暗さのかけらもなく、屈託のない笑顔が印象的でした。人間、図太く生きていけるものだと感心したことを覚えています。


 さて、東京都小金井市では花見が行われるような公園のごみ箱を撤去しました。花見のごみは自分で持ち帰ることを徹底させるものです。小金井市の決定には背景があります。小金井市は自前のごみ処分場を持っていないため、年間2億4000万円を払って周辺の自治体にごみ処理を委託しています。昨年4月の市長選では、この2億4000万円が無駄遣いであると主張した佐藤和雄氏が当選しました。これに周辺自治体は反発し、小金井市のごみの受け入れを拒否したため、昨年11月には市内にごみがあふれました。結局、佐藤市長が辞任することによって周辺自治体はごみの受け入れを再開しました。これが「小金井ごみ戦争」といわれるものです。


 小金井市は、以前には隣接する調布市府中市と共同のごみ焼却場を持っていました。しかし、老朽化に伴う建替え計画は住民が反対したために果たせませんでした。その結果、平成19年に焼却場は稼働を停止し、やむを得ず周辺自治体にごみ処理を委託してきた経緯があります。国はダイオキシン規制などから1日に100トン以上の処理能力を備えた焼却炉の建設を勧めてきました(それ以下では補助金が交付されません)。小金井市では1日のごみ量は約40トン程度であり、自前で焼却炉を持つほど多くありません。小さい自治体ではどうしても共同で焼却炉を建設しなければならないという悩みを抱えています。実際に安芸郡4町(海田・熊野・府中・坂)は共同して坂町でごみ焼却施設を運営しています。


 このように、今回のごみ箱撤去は根が深い問題を秘めています。とは言え、ニュースで宴の後のごみの散乱を見せられると、広島市も見習うべきだと思いますがいかがでしょうか?


 注文した本
1.私が吉に入った本当の理由  毎日ワンズ
  前神奈川県知事松沢成文回顧録です。東京都知事選の内幕についても書かれています。

2.潜行三千里 毎日ワンズ
  元大本営参謀で「作戦の神様」と言われた辻政信についての本です。ノモンハン事件シンガポール華僑虐殺事件、バターン死の行進ポートモレスビー攻略作戦やガダルカナル島の戦いなど、彼が指揮した作戦のほとんどは失敗に終わっています。アメリカからは「第三次世界大戦さえ起こしかねない男」と危険視されました。戦後、衆議院議員4期務めた後、参議院に転出しましたが、その任期途中の1961年、ラオスで行方不明となり、その後の消息は不明です。