広島市議会議員(安芸区)

百日咳が流行しています

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 最近、百日咳が流行しています。百日咳は百日咳菌によって引き起こされる気道感染症です。元々は乳幼児の疾患とされてきましたが、最近では成人での発症が多くなっています。成人の百日咳は臨床的な特徴が少なく、一般の風邪との鑑別が困難です。
 症状は、百日咳の名が示すように長期間続く激しい咳が特徴です。病期は以下のように分けられます。
(1)潜伏期。感染して約7日間です。
(2)カタル期。1−2週間。発熱もなく、鼻閉や鼻水などの一般の風邪症状の時期です。
(3)痙咳期。4−8週間。文字通り、痙攣(けいれん)のような咳が続きます。連続的な咳や、吸気時に笛が鳴るような音が出現します。咳の発作は昼間より夜間のことが多いようです。咳が激しいために特徴的な顔つきになります。つまり、舌を突き出し、顔が真っ赤になり、眼が潤んできます。
(4)回復期。1−2週間。長く咳が続いたあと、やっと回復します。
 
 かつてはジフテリア破傷風との3種混合ワクチンが接種され、患者数は減少していました。しかし副作用のため1975年にワクチン接種が中止となり、患者数は再び増加しました。その後副作用の少ないワクチンが開発され、1981年から導入されたため、患者数も減少しました。ただし、ワクチンの効果は接種後3−5年で抗体価が下がり、10−12年で予防効果が失われるといわれています。最近、成人の発症例が増加しているのはそのためと考えられます。2週間以上も激しい咳が続くときは百日咳を疑って、内科、小児科を受診すべきでしょう。小児の場合は症状が重くなりやすいので、早めの受診をお勧めします。