広島市議会議員(安芸区)

毒ガス島に行きました

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 一昨日の日曜日、竹原市大久野島に行きました。大久野島は別名「毒ガス島」と呼ばれています。これは旧陸軍によって1929年からこの島で毒ガスが製造されたことによります。島へは忠海港からフェリーで12分で着きます。美しい砂浜があり、風光明媚な島です。国民休暇村もあり、夏には大変な賑わいだそうです。島内には多数のウサギが放し飼いされていて、そばによっても逃げません。
 しかし、そんなのどかな島に、毒ガス関連の施設の廃墟が今なお残されています。環境省によって立ち入り禁止になっていますが、ごく近くで見ることができます。毒ガス貯蔵庫跡地はアメリカ軍が火炎放射器で焼却した壁が黒焦げになって残っています。また、旧発電所は当時の窓ガラスも一部残っています。どちらも、見ているだけで背筋に冷たい戦慄が走りました。初期には年間の毒ガス製造量は約2トン程度だったものが、終戦直前には約600トンにもなったそうです。毒ガスの主なものは「イペリットガス」です。これは「マスタードガス」とも呼ばれ、イラクではクルド人に対して使用されました。皮膚に付着すると、熱傷のように、ただれたり水泡ができます。呼吸器系も侵し、呼吸困難で死に至ります。戦時中にはこの島は軍の機密のため、地図から抹消されていました。毒ガス資料館ではこんな悲惨な状況を見ることができます。広島には原爆だけでなく、毒ガスという負の遺産があるということを改めて思い知らされました。