広島市議会議員(安芸区)

法師蝉(ツクツクボウシ)

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 朝夕は少し肌寒くなりました。先日の昼、自宅の木でツクツクボウシが鳴いていました。本来、ツクツクボウシは夏の終わりを告げる蝉です。アブラゼミクマゼミの騒々しい鳴き声に比べて、やや弱々しい感じがし、晩夏から初秋の風物詩を感じさせます。しかし、最近では初鳴きの時期が早くなっているようです。1998年には岡山市で7月6日の初鳴きが観測されました。地球温暖化の影響でツクツクボウシも盛夏の蝉になるのでしょうか。
 小学生の頃、元宇品に住んでいたわたくしは夏休みにはほとんで毎日昆虫採集に山へ入ったものです。先輩に教えられた虫の取り方を何度やってもうまく行きませんでしたが、ある日、大きなどんぐりの木の幹の裏側に大小2匹のクワガタを見つけました。このときは自分が大きく成長したような気がしました。キリギリスの取り方も難しいものです。風下からキリギリスの鳴き声が聞こえる方へ進まなくてはなりませんが、ほとんどの場合、気配を気取られて逃げられてしまいます。最後にキリギリスを捕まえたのは35歳の夏でした。あのときは小学生の頃の記憶が鮮やかに蘇りました。キリギリスを捕まえるという小さいことでも、父親としての威厳を示すことができ、子どもたちとの一体感を感じました。その夏はわたくしも子どもたちもキリギリスの鳴き声に癒されました。