広島市議会議員(安芸区)

タイタニック号沈没事故での国民性による死亡率の差

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。寒い日が続きます。一日ごとに春が近づいてきます。
 興味深い数字を見つけました。1912年に起こった豪華客船タイタニック号沈没事故での国別の死亡率です。タイタニック号事故では乗客乗員2223名のうち1517名が水死し、救助されたのは706名なので生存率は31.7%です。興味を引いたのはこの事故における米国人と英国人の生存率の差です。米国人の生存率は平均より8.5%も高かったのに対して、英国人のそれは逆に7%低かったということです。英国人は沈んでゆく船の上でも「レディーファースト」を重んじて、救助の順番を待ちました。人を押しのけてボートに乗り込んだ米国人との差が出たとの分析でした。死に瀕した場面でもジョンブル精神が発揮されたのです。スティーブ・マックウィーン主演の映画「タワーリング・インフェルノ」でも、日本人所有の超高層ビルの火災現場で、われ先にエレベーターに乗ろうとする国会議員や実業家のエゴが描かれていました。この映画は日本人のエコノミックアニマル(もはや死語となりましたが)ぶりと米国人の利己主義を皮肉っていたのかも知れません。
 ちなみに、映画「タイタニック」でレオナルド・デカプリオが恋人に小さい木片を渡して、手を振りながら海に沈んでゆく感動的なシーンがありました。しかし、医学的には正確な描写ではありません。10度C以下の酷寒の海に放り出された場合、5分以内に不整脈を起こして凍死します。凍死の場合は溺死と違って海水を飲み込みませんので、肺には空気が入っており、決して死体は沈みません。しかし、あのロマンチックな映画のクライマックスでデカプリオの死体がそばでプカプカ浮いていたら興ざめです。美しく海の底に沈んでゆくようなフィクションも許される嘘でしょう。