広島市議会議員(安芸区)

380万円のスーツとカンボジアの子どもたち












 
 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。なかなか寒さが緩みません。今日も気持ちを引き締めて頑張りましょう。
 1月23日に173万円のフェラーリ製自転車のことを書きました。今日は380万円のスーツが登場したはなしです。メーカーはイタリアの超高級ブランド「ブリオーニ」です。この高級スーツはなぜか「景気後退スーツ」と呼ばれています。驚いたことにこんな高級スーツが既に30着も売れたそうです。世の中にはとんでもない金持ちがいるものです。「それにつけても金の欲しさよ」よいう下の句はどんな俳句や川柳に続けても意味を成します。「古池や 蛙飛び込む水の音 それにつけても金の欲しさよ」 「春の海 ひねもすのたりのたりかな それにつけても金の欲しさよ」。庶民の憂さの捨て所でしょうか。
 そんな金持ちの話題から、わたくしは以前行ったカンボジアの貧しい子どもたちのことを思い出しました。小型の遊覧船で湖に出たときのことです。波はかなり荒かったのですが、小さいプラスチックの「たらい」を器用に操って小学校低学年と思える子どもが船に近寄って「ワンダラー」、つまり1ドル下さいと哀願します。その顔は演技かも知れませんが悲しそうでした。休憩所でも小船に乗った子どもたちが近寄ってきて「ワンダラー」を連呼します。中国人と思しき数人が袋からさげすむように菓子を恵んでいました。そんな光景に同行していた日本人の女性は「胸が傷む」とつぶやいていました。カンボジア人のガイドは「自分は運良く学校へ行くことができた。いつかこの子たちを救いたい」とつらそうに語っていました。380万円のスーツを買う人がいる一方で、恐らく1日1ドル以下で暮らす子どもたちがいる。そんな厳しい現実を思い知らされた旅でした。