広島市議会議員(安芸区)

広島市の資金運用と調達―ギャンブルをやっている自治体がある

 
 
 


 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。暖かくなったのはいいのですが、花粉が大量に舞っているようです。わたくしも花粉症を持っています。花粉が衣服にまとわりついている人がそばに来るだけでくしゃみが出ます。相当な量の花粉だということが分かります。
 さて、2月20日(金)に総括質問に登壇しました。2月定例会の一般質問は現年度の議案と翌年度の議案が提出されるために、総括質問を言います。内容にはとくに差はなく、市政全般について質問します。
 今回わたくしは以下の3点に絞って質問しました。
(1)広島市の資金の運用と調達について
(2)地球温暖化対策について−はたして現状のの温暖化対策は正しいのか
(3)産科医療補償制度について
 今日はまず、(1)広島市の資金の運用と調達について書きます。
 一昨年のサブプライムローン問題に始まった金融危機は全世界に広がっています。現在はサブプライムローン問題はだけでなく、債務担保証券の問題が大きくなっています。アメリカの金融機関が世界中に売りまくった、債務担保証券は5000兆円といわれています。これは日本のGDPの10倍にも相当する額です。いまこの債務担保証券が紙くずになろうとしています。こうしたなか、自治体でも有利な運用先を求めて、ハイリスクの商品を購入しているところがあります。例えば「仕組み預金」は経済情勢がよいときには高金利が約束されますが、現在のような情勢では最悪の場合、元本割れします。仕組み預金は2008年末時点で67の市町村が利用し、合計残高は1471億円となっています。2月20日の日本経済新聞の第4面にも「仕組み預金」の記事が掲載されていました。
 また、「仕組債」とか「仕組ローン」と呼ばれる、新型地方債があります。これは、為替レートや、長期と短期の金利差などによって調達金利が変動するものです。例えば、岩手県が2007年に発行した50億円の仕組債は円安局面では1.37%の金利で資金調達ができますが、半年毎の基準日に1ドル98円50銭を超える円高になると、支払金利が5%に急上昇します。そして、いま1ドル93円台の円高になっており、金利負担は6ヶ月で9000万円増えることになりました。同様の仕組債を発行している神戸市は、まだ金利上昇となる為替レートになってはいませんが、金利負担の増加が懸念されています。また、長短金利差によって金利が変動する仕組債を発行している兵庫県では、昨年9月の基準日に金利差が条件を超えて縮小したため、1%以下であった金利が3%超にまで急上昇しています。仕組債は通常の債権に比べて、発行当初の金利負担を減らせる利点がありますが、経済情勢の変化によって金利の急上昇を招く博打的要素を含んだ契約といえます。 2007年7月時点で仕組債を導入した自治体は17で総発行額は3500億円にも達しており、最も残高が多いのが兵庫県の550億円です。しかも兵庫県は議会の承認もなく契約しています。
 わたくしは、市民から預かった税金をリスクをかけて高いリターンを狙うような運用をすべきではないと考えています。市の答弁は以下のようなものでした。
 
 基金の運用は確実でなくてはならないので、元本が保証されたものに投資をしている。長期の運用が可能な資金については地方債による運用を行い、その他は定期預金による運用を行っている。
 広島市基金残高は平成21年1月末現在で総額1,029億円ある。運用方法ごとの金額は
   歳計現金(日々の支払に充てるもの)が約400億円
   地方債による債券運用が176億円
   定期性預金による預金運用が約453億円となっている。
 また、平成19年度の基金運用利息収入は約5億8000万円となっている。

 広島市民の皆様、広島市は皆様から預かった税金でギャンブルのような運用は行っていませんので安心してください。次回は温暖化対策が間違っているのではないかという趣旨で行った質問について書きます。