広島市議会議員(安芸区)

裁判員制度について(5)

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 梅雨も明けていよいよ本格的な夏です。昼下がりに聞く蝉時雨は心を和ませてくれます。短い命を精一杯燃焼する夏の昆虫たちは命の大切さ、無常を教えてくれます。
 さて、初の裁判員による裁判が行われ、懲役15年の判決が出ました。マスコミの論調も概ね高い評価を与えていました。この殺人事件は被告が犯行を認めていたため、審議はスムーズに進みました。否認事件の審議がどのように進むか見守りたいと思います。今回の裁判での裁判員選任手続きでは2人の候補者が東京地裁の呼出に応じませんでした。裁判員法では候補者が正当な理由なく欠席した場合は「10万円以下の過料に処する」とされています。「過料」は裁判所が下す制裁ですが前科にはなりません。余談ですが、これに対して同じ読み方の「科料」は前科になります。今回欠席した2人に対しては「過料」が下されるかは裁判官の判断によることになりそうですが、その判断の基準は明らかにされていません。しかし、国民に制裁を下すことが裁判官の胸三寸で決まるのは、わたくしには納得がゆきません。こんなところにも裁判員制度の矛盾が露呈されています。