広島市議会議員(安芸区)

沖縄県民かく戦へり

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 

 普天間飛行場の移設問題が迷走を重ねています。マスコミ各社の論調も鳩山首相指導力、決断力の無さを痛烈に批判しています。しかし、わたくしが気になるのは国防の視点が欠けていることです。沖縄は基地の多くを押し付けられています。それは沖縄が地政学的な特性を持っているからです。沖縄から基地を撤去することのデメリットを指摘する論調はほとんど見られません。フィリピン国会がクラークとスービック基地反対の決議を行ったため、アメリカが両基地から撤退したことは東南アジアの安全保障上の大きなダメージでした。


 沖縄から基地を撤去したあとの国防をどのようにするのかを論じないのは危険です。尖閣列島の領土問題やまだ片付いていません。中国は東シナ海からガスを勝手に取り続けています。最近では沖ノ鳥島にも軍艦が出現しています。基地は必要ないというのなら、わが国をどのように守るのかも同時に議論しなければならないでしょう。わたくしは、以前普天間基地を視察したことがあります。宜野湾市のど真ん中に基地があり、道路や上下水道などのインフラ整備の大きな障害になっています。沖縄県民に多大に犠牲を強いています。だからこそ政治の出番です。沖縄に基地が必要ないので県外に移転するのか、あるいは基地は必要なので県民には我慢をお願いするのか。その苦渋の決断を政権はしなければなりません。現政権は全く機能していません。


 最期に沖縄の旧海軍司令部を見学したとき、昭和20年6月6日に海軍少将、大田 実司令官が海軍次官に当てた電文を読みました。涙なくしては読めないものでした。当時、通信網もうまく機能せず、食料も尽きていました。中学校、女学校の生徒や青年団までも動員していました。玉砕直前に打電したものです。沖縄戦の現状を切々と述べたあと、沖縄県民に対する特別の配慮を訴えています。


 電文の最期は以下の通りです。


 「沖縄県民かく戦へり。
  県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを」


 われわれは大田司令官の遺志を忘れてはなりません。