広島市議会議員(安芸区)

「おもてなし」と「ホスピタリティ」の違い

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。

東京オリンピック誘致のプレゼンで滝川クリステルが「お・も・て・な・し」とアピールしたことは記憶に新しいところです。おもてなしは英語ではホスピタリティ(Hospitality)と訳されます。先日これについて興味深い話を耳にしたので書きます。



 世界で最もホスピタリティが高いサービスをするといわれるホテルでは、客が来たときにマネージャーが「いらっしゃませ」ではなく、「お帰りなさいませ」と挨拶するそうです。これ以外にも客に対しての心配りは行き届いており、誕生日の祝いまで行うそうです。
 ホスピタリティはキリスト教的な考え方で、神から頂いた恵みを分け与えるという発想から来ています。最後の晩餐でもキリストが自らの血と肉を弟子に与えています。ホスピタリティの語源はホスピタル、病院です。ホスピタルの元来の意味は、食べ物に困り病気になった人を寝かせ、食料を与えるという意味です。日本でも同様に、聖武天皇光明皇后が施薬院悲田院を作って、病人や孤児の面倒を見ました。
 つまり、ホスピタリティは上から下への恵みということになります。



 これに対しておもてなしは全く逆の立場です。人間が神様をお迎えすることから始まっています。日本人が神様をお迎えするときには、あらかじめ斎戒沐浴して身を清めます。神様をお迎えする神殿や社は最高の技術で作り、最高の酒食を備え、みんなで飲食をして一体となって、そしてお見送りをする。
 日本では八百万の神と言われるほど多くの神がいるため、すべての神に対してそれぞれ異なる迎え方をする必要がある。画一的であってはならない。
 人間を迎えるときも同様です。客それぞれに合わせたサービスを用意する。日本では神も客も稀に来る「マレビト」です。長く滞在してはなりません。フーテンの寅のように宿泊料も払わずに何日も留まるなど論外です。
 だからこそ、「お客様は神様です」という言い方ができます。日本では客は神です。



 韓国から日本に帰化した呉 善花(オ ソンファ)は、日本に対して協力的な論調をしたため、韓国への入国を拒否されたことがありました。彼女によると韓国には「お客様は王様」という言葉があるそうです。しかし、この言葉は「お客様は神様」と決定的に違います。
 神様は全てお見通しであり、だました人間に罰を与えることができます。それに対して王様は神様ではないので、だましても罰が当たることはありません。だから韓国では客が払った1万ウォン札を5千ウォン札だと店側が主張してぶったくることが珍しくないというのです。
 茶道においても、一度に多くの客を招くことはありません。それぞれが神様なので違うサービスでもてなすには少なくないとできないということです。


 改めて日本文化の素晴らしさを感じました。

本日注文した本
1.「田母神戦争大学」  産経新聞出版
2.「球童」  講談社α新書
  ロッテや大リーグで活躍し、悪役を演じながら42歳の若さで自殺した快速球投手伊良部秀輝
3.「テレビに映る中国の97%は嘘である」  講談社α新書
  どこまで真実が報道されているか?
4.「負けて強くなる」  宝島社新書
  1000敗という勲章が輝く天才棋士加藤一二三
5.「だから日本はズレている」  新潮新書
  現代の若者はどう考えているか?
6.「大統領を殺す国韓国」  角川
  人気を終えた大統領に対してしばしば死刑判決が下されます
7.「2014年の中国を予測する」 
  著者は 石 平と宮崎正弘です。
8.「韓国がタブーにする日韓併合の事実」  ビジネス社
9.「日本人よ孤独に強くなる知恵を身につけよ」  ビジネス社
10.「赤い中国消滅」  扶桑社
11.「女のいない男たち」 文藝春秋
  村上春樹が、女を失った男たちの孤独6編を描きます。
12.「座禅のすすめ」 幻冬舎