広島市議会議員(安芸区)

修復腎移植を行うのは悪魔の医師か?

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 最近の暖かさで近所の桜も開花を始めました。

 
 きょうは修復腎移植の話です。腎臓にできたがんなどの治療のために腎臓を摘出する場合がありますが、その際に摘出された腎臓は捨てられるのが通例です。その捨てるはずの腎臓のがんの部分を切除して、別の患者に移植することを病気腎移植あるいは修復腎移植といいます。以前、宇和島徳洲会病院で行われていたことが問題になり物議を醸しました。当時、岡山大学の先輩たちが、あたかも悪いことをしているように報じられました。しかし、人工透析の苦痛から解放されるのなら、修復腎移植を受けたいという患者の声があまりにも多かったため、昨年10月に厚生労働省から先進医療として認められました。


 移植には、生体腎移植と死体腎移植があります。生体腎移植は、家族がドナーとなって自分の腎臓を提供することで成り立ちます。死体腎移植は脳死や心停止のドナーから腎臓が提供されます。我が国での腎移植は年間、約1,600例で、そのうち約85%の1,400例が生体腎移植です。国内で人工透析を受けている腎不全患者は約32万人です。腎移植を希望し、日本臓器移植ネットワークへ登録している腎不全患者は約1万2千人にのぼり、ドナー不足は深刻な問題です。そのうち約1万2,000人が腎移植を希望していますが、ドナー不足のため腎移植までの待機期間は平均15年と長く、多くの透析患者さんが亡くなっています。修復腎移植が先進医療適用となったことは、透析患者さんにとって救いとなります。
 3月28日の夜10時50分から11時15分までNHK総合テレビで修復腎移植についての放送があります。題して「悪魔の医師か、赤ひげか」です。ぜひご覧ください。