広島市議会議員(安芸区)

「ちゃっぷい、ちゃっぷい。どんとぽっちい」は古代日本語の発音。

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。

 8月21日に、奈良時代の日本語には母音が八つあったことを書きました。今回はその続編です。皆さんも「金鳥どんと」という商品名の使い捨てカイロを使った経験があると思います。私が若い頃、面白いCMがありました。西川のりお桂文珍が古代人に扮して厳寒の中、「ちゃっぷい、ちゃっぷい。どんとぽっちい」というセリフで大当たりをとりました。「寒い、寒い、どんと欲しい」という意味です。当時の子供たちがまねしていたのを思い出します。

 

 なんともユーモラスなCMでしたが、驚いたことに、このCMの制作スタッフは学問的研究を踏まえていたそうです。CMでは「さ」の発音が「ツァ」に近い「チャ」で、「欲しい」は「ポッチ」と表現されています。著者は、「音声の歴史的研究はこのCMのような縄文時代の発音までは再現できない。しかし、このセリフが大昔の日本語の発音の研究を踏まえているというのであれば一応の理解はできる」と述べています。

あのCMがこれほど高尚な背景を持っていたとは驚きです。