広島市議会議員(安芸区)

(医学ひとくちメモ2)発熱・花粉症などは体の正常な反応です

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 外は雪です。子どもの頃は待ち遠しかった雪も今ではあまりありがたくないものになってしまいました。この時期には風邪やインフルエンザでよく発熱します。患者さんにとって発熱はつらい症状ですが、医師にとっては頼もしい症状です。病原菌やビールスが体内に入ると抵抗力であるリンパ球などの免疫系が目を覚まします。言うならば外敵が攻めてきたので、兵士が臨戦態勢に入ります。そこで代謝を上げるために発熱するのです。発熱の初期には寒気がしてガタガタ震えます。これは筋肉を動かして体温を上げようとしているのです。もしも、病原菌やビールスが侵入したときに発熱しなかったら、兵士が平和ボケしているのと同じですから、外敵と戦わずに占領されてしまいます。発熱したら自分の体内の兵士たちが外敵と戦ってくれているのだと思ってください。また、ビールスや細菌は熱に弱いのです。体は熱を上げて敵を退治しようとしているのです。だからむやみに発熱を下げてはなりません。頭を冷やして安静にしてください。わたくしはほとんど解熱剤を使いません。使うのは高熱のために意識障害や熱性けいれん、呼吸困難など重篤な状態になる危険性があるときだけです。そこで質問です。正常な体温の人が解熱剤を飲むと体温はどうなるでしょうか?正解は末尾に書きます。
 今年の花粉の飛散は昨年の2−3倍になると予想されています。花粉症の方は今からの予防的治療をお勧めします。花粉症の症状は鼻水・鼻づまり・くしゃみ・涙目などがあります。しかし、これらの症状は実は体にとっては有用なのです。鼻水と涙目は花粉を洗い流すためです。鼻づまりはそれ以上花粉を鼻腔へ入れないためです。くしゃみは花粉を吹き飛ばすためです。もしもこれらの症状が無かったら、花粉が多量に体内に入り、もっと重篤な結果(例えば気管支喘息など)になる可能性があります。鼻も目も健気にもしっかり花粉と戦ってくれています。しかし、少々がんばりすぎて不快な症状を呈することになるのです。人間の体とは素晴らしく精密なものだと思います。
 正解は「体温は変わらない」です。解熱剤は脳の体温調節中枢に働いて体温を正常に保つ薬です。