広島市議会議員(安芸区)

地球温暖化、地獄の5丁目とは?

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 昨日は地球温暖化について、北極の氷床が解ける危険性を書きました。温暖化という言葉は耳に心地よく響きます。ポカポカとしていい気持ちになりそうです。しかし、地球温暖化とは、地球を地獄へ落とす過程と考えるべきです。その地獄の1丁目が北極の氷床が解けることです。温暖化地獄の2丁目はグリーンランドの氷床が解けること。3丁目は酷寒のシベリア、アラスカの凍土が解けること。これらの凍土が溶けると閉じ込められているCO2やメタンガスが空気中に放出されて温暖化に拍車がかかります。4丁目は南極の氷床が解けること。そして地獄の5丁目はアマゾンのジャングルの崩壊、つまりジャングルが枯れて砂漠化することです。ここまで進めば人類はごく一部しか生き残れないでしょう。あるところまで進むともやは後戻りできなくなる時点のことを「Point of no return」と呼びます。地獄の1丁目、北極の氷床が解ける前に何とか対策を講じなければなりません。一部の学者はすでに「Point of no return」を超えてしまったと主張しています。産業革命が始まった時点と比較して、現在の気温は0.73度C上昇しています。現状のままでこれ以上気温を上昇させないことが理想ですが無理です。いま言われているのは何とか2度Cまでの上昇に抑えようということです。そのためにはライフスタイルを変えなくてはなりません。広島市が提唱している「広島カーボンマイナス70」は1990年を基準として、2030年までに温室効果ガスを50%削減、2050年までに70%削減を目指すものです。2050年のイメージの一部をご紹介しますと、(1)太陽光発電などの再生可能エネルギーが50%の家庭に普及、(2)高断熱住宅の普及率100%、(3)燃料電池自動車の普及率100%、(4)自動車の平均移動距離は半減以下になり平均燃費は60%以上改善などです。われわれが排出するCO2は空中を千年ないし二千年浮遊します。原子力発電による核廃棄物の放射能半減期は数万年です。そこまで後世に悪影響を及ぼすという点では、CO2も核廃棄物も大差はありません。単位カロリーあたりのCO2排出量は石炭が5、石油が4、天然ガスが3、原子力はほぼゼロです。原子力発電やダムによる水力発電温室効果ガスを出さないというメリットを考えるべきときにきているのではないでしょうか。

(今日の出来事)
(1)1810年 ナポレオン1世、マリー・ルイーズと再婚。
(2)1904年 ラフカディオ・ハーン小泉八雲)「怪談」を刊行。中学生のとき、面白くて一晩で読んだ記憶があります。
(3)1982年 フォークランド紛争勃発。この日アルゼンチン軍がフォークランド島を攻撃し領有を宣言しました。これに対して「鉄の女」と呼ばれた当時の英首相マーガレット・サッチャーはすぐさま地球の裏側まで軍隊を送り、約2週間で紛争は英国の圧倒的な勝利に終わりました。日本にもこれくらいの信念を持った指導者が欲しいものです。