広島市議会議員(安芸区)

裁判員制度について(1)

 

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 広島地方にはまだ梅雨明け宣言が出されていませんが、猛暑が続いています。
 6月26日に6月定例会が閉会となりました。わたくしは23日に裁判員制度に関する補正予算547万円について質疑を行いました。その趣旨は裁判員制度は導入すべきではないという内容です。今日からしばらく裁判員制度について書きます。
 裁判員制度は「国民の司法参加」という目的で考え出されたものです。日米構造協議のなかで、アメリカからの弁護士増員要求に関連して、平成11年当時の小渕内閣で「司法制度改革審議会」が設置されたことに始まります。国民の司法参加については大きく2種類に分けられます。その一つはアメリカで行われているような陪審員制度です。陪審員制度は事件ごとに選ばれた12人の陪審員が有罪か無罪かだけを協議します。これには裁判官は加わりません。全員一致が原則で、全員の結論が一致するまで協議が行われます。有罪または無罪となった理由は述べる必要はありません。無罪になれば被告人はその場で釈放されます。有罪とされた場合は、専門の裁判官が後日量刑を決定します。
 陪審員制度のほかには参審制度があります。これは主にヨーロッパで行われているもので、裁判官と参審員が最初から協働して審理に当たります。参審員は任期制ですので任期中に何度か裁判に参加することが多いようです。
 さて、来年5月から始められようとしている裁判員制度は、事件ごとに選ばれる点では陪臣員制度に似ていますが、最初から裁判官と協働して審理する点で、より参審制に近いものといえます。
 裁判員制度では3名の裁判官と6名の裁判員が審理に参加します。表決は多数決で、裁判員には裁判官と平等に一票が与えられます。ただし、被告人を有罪とするためには少なくとも裁判官の一票が必要となっています。例えば裁判員6名全員が有罪と考えても、3名の裁判員がすべと無罪と考えた場合、6対3ですが、裁判官が有罪に加わっていないので無罪となります。
 今日の中国新聞の朝刊に裁判員制度の名簿作成に関する記事が出ていました。裁判員の具体的な選び方などは次回書きます。