広島市議会議員(安芸区)

裁判員制度について(2)

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 今日は裁判員の選ばれ方について書きます。
 まず、毎年9月1日までに全国に50にある地方裁判所から各自治体の選挙管理委員会に選挙人名簿から選び出す裁判員候補者予定者数を通知します。各選挙管理委員会は無作為に選んだ名簿を10月15日までに地方裁判所に提出します。裁判員制度の対象となるのは死刑または無期の懲役か禁固刑に相当するような事件です。具体的には殺人、現住建造物放火、傷害致死覚せい剤取締法違反、通貨偽造、危険運転致死傷などです。平成17年の裁判員制度対象事件は全国で3633件ですから各事件あたり100名として約36万人が裁判員候補者予定者として登録されることになります。広島市の場合、1年間に約2500人と推定されています。これは有権者の0.27%となり約370人に一人の計算となります。名簿に登録された人には裁判所からその旨の通知が来ます。
 さて、翌年になって裁判員制度の対象となるような事件が発生し、第1回の公判期日が決まったら、名簿の中から約100名が選ばれて裁判所への出頭命令が来ます。出頭するのは初公判の日の朝です。これを拒否することは許されません。裁判所では、裁判官の面接を受けて、くじで6名の裁判員と1名の裁判員補充員が選ばれます。そして、その日の午後から裁判に参加することになります。
 裁判員の選任資格は衆議院選挙の有権者となっています。欠格事由(裁判員になることができない者)としては、義務教育を終了していない者、禁固以上の刑に処せられた者、心身障害のため裁判員の職務の遂行に支障がある者などがあります。また、就職禁止事由(裁判員になってはならない者)としては、国会議員、検察官、弁護士、司法書士自治体の首長などがあります。
 理由なく裁判員を拒否できませんが、例外として70歳以上の者、学校の学生・生徒、重い病気や障害、介護や育児で出頭できない者、従事する事業に著しい損害が生じる恐れのある者、過去5年以内に裁判員または裁判員補充員となった者などは裁判官の許可を得て辞退できるとされています。われわれのような自治体の議員は会期中に限って辞退できるとなっています。
 次回からは裁判員制度の問題点を書きます。