広島市議会議員(安芸区)

オバマはビッグ3の蟻地獄から逃げられない(1)

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。寒いですね。各地で初雪のニュースが出始めました。冬は寒いもの。これが日本の四季です。寒さを楽しみましょう。
 アメリカの自動車メーカーのビッグ3とは、フォード、クライスラー、GM(ゼネラルモーターズ)ですが、各社とも倒産の危機に瀕しています。米上院の民主党はビッグ3の資金繰り支援策として、金融安定化法で用意した70兆円の公的資金のうち2兆4000億円を投入することを盛り込みました。これに対してポールソン財務長官は公的資金枠を自動車産業救済に使うことは適当ではないとのコメントを出しました。
 実は、民主党の最大の支持基盤は全米自動車労組なのです。だからこそオバマは選挙戦中に「自動車は日本や韓国でなく、アメリカで作ろう」と訴えました。ビッグ3が倒産した場合、裾野の産業まで含めると、200万人が失業するとされています。過大に見積もる統計では300万人という数字もあります。現共和党政権がビッグ3の救済に消極的であり、次期オバマ政権が積極的なのは当然でしょう。ポールソン財務長官が公的資金枠を自動車産業救済に使うことに否定的なのは、共和党政権の民主党政権に対する牽制でしょう。「次期大統領のお手並み拝見」というところでしょうか。
 仮に公的資金を投入しても自動車販売が増加するものではなく、底なしの泥沼に引き込まれる可能性が高いと思われます。オバマ次期大統領はビッグ3の蟻地獄に落ち込むでしょう。ブッシュ政権イラク戦争の蟻地獄に陥ったように。