広島市議会議員(安芸区)

日本人は清潔偏執狂?

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 日中は汗ばむ季節となりました。先日、母校の健康診断に行ってきました。3クラスの生徒を診察しましたが、幸いに重大な疾患はありませんでした。ただ、「姿勢が悪いと言われる」という項目にチェックが入っている生徒が相当数いました。実感では10−20%いたように思います。それらの生徒も「脊柱側わん症」と診断するほどではありませんでしたが、ほとんどが猫背でした。腹筋の緊張がなく背中を丸めていました。それが「姿勢が悪いと言われる」原因でしょう。わたくしは先輩として「腹筋に力を入れろ」と気合を入れてきました。
 さて、5月23日の産経新聞に「日本人は清潔偏執狂」との見出しで記事が掲載されていました。それはニューヨークタイムズの神戸ルポからの記事でした。豚インフルエンザの流行で日本は混乱状態にあり、日本人は日頃から「強迫観念的な清潔さ」を追求し、とくに感染症の流行期には「パラノイア(偏執狂)の国」になると伝えていました。学校閉鎖や日用品の買いだめ、マスクの売り切れ、感染を心配して外出を控える母子の様子を取り上げています。また、宗教的なまでに学校で手洗いを教え、下着からボールペンに至るまで抗菌性と推察されると皮肉り、他の国より感染者数が多いのも「より積極的な検査をしてるため」との見方も伝えていました。
 確かに日本人は過剰な反応を示した一面はあると思います。しかし、清潔偏執狂と言われることはありません。古くから日本人は世界一清潔好きな民族です。江戸時代に来日したキリスト教宣教師は、日本人がよく風呂に入り、衣服もよく手入れされていることに感嘆し、一様に日本人の清潔さを賞賛しています。
 欧米人は日本人を評価するとき、一面だけを見て、全体に広げる傾向があるようです。数年前、白人女性が日本人に殺害された事件について、同じニューヨークタイムズは「日本人は白人女性に変態的な欲望を持つ」と濡れ衣を着せたことがありました。こんなときに提灯を持つマスコミがいることも問題ですが、日本人としてしっかり反論しなくてはならないと思います。
 「おしぼり」は日本が世界に広めた文化です。他人が着ることになるレンタル用の衣服でも、しっかりと手入れがされています。わたくしはオーストラリアでライフジャケットを与えられたとき、あまりの悪臭にめまいがしたことがあります。
 フランスのベルサイユ宮殿はあの広大な面積を持つにも関わらず、トイレは一ケ所もありませんでした。貴族たちは庭で用を足していました。あの裾が大きく広がった宮廷衣装はそのためだという説もありますが、わたくしには真実に思えます。
 清潔偏執狂といわれようが、日本人は清潔好きなことにプライドを持ちましょう。