広島市議会議員(安芸区)

イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

  広島県にも3度目の緊急事態宣言が発令されるようです。盆休みに首都圏や関西から多くの人が帰省したことが大きく影響しています。政府は医療機関に強く協力を要請しました。とはいえ、多くの医療機関は人員や設備が不足し、協力したくてもできないのが現状です。

 

 先日、「イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか(新潮新書)」を読みました。これほど日本が尊敬されていることに驚きです。一例をご紹介します。

 アルジェリアの独立に大きな貢献をした宇都宮徳馬氏(1906~2000)です。アルジェリアはモロッコの東に隣接する国です。わたくしが学生時代に「カスバの女」という歌謡曲が流行りました。「ここは地の果てアルジェリア」という歌詞が印象的でした。アルジェリアは1830年から130年間に亘ってフランスの支配を受けました。アルジェリア独立運動を主導したのはFLN(民族解放戦線)で、100万人の犠牲を払って独立を果たしました。

 宇都宮徳馬氏は自民党衆議院議員を務めていたとき、FLNに共感し、FLN極東代表部の東京設置に尽力しました、1955年と1959年に独立戦争中のアルジェリアを訪れ、日本アルジェリア協会の前進である日本北アフリカ教会を設立しました。敗戦から間もない時期に戦勝国フランスに対して日本人の気骨を示し、アルジェリア人の心に日本を強く意識させました。

 宇都宮氏は2000年に亡くなりますが、葬儀は7月5日、アルジェリア独立38周年記念日に執り行われました。アマール・ベンジャマ駐日アルジェリア大使は「日本において宇都宮徳馬先生ほど日本とアルジェリアの関係を深く築くに当たって多大の貢献をなさいました方は他にございません」と弔意を示しています。

 わたくしは宇都宮氏の名前は知っていましたが、これほどまでに両国の絆構築に貢献したことを知らなかったことを恥ずかしく思いました。

 このような関係にありながら2013年に、アルジェリアで日本企業の日揮社員が武装集団の犠牲になったことは歴史的友好関係を踏みにじったものです。

 この本は、イスラムの多くの国から日本人が尊敬されていることが列挙されています。日本人としての誇りを改めて感じます。